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内閣運営の3原則と歴史的転換点

 投稿者:森 勉  投稿日:2009年 9月14日(月)01時19分33秒
  通報 編集済
   9/13朝日のオピニオン特集で進藤宗幸千葉大教授(行政学)が戦後日本の内閣運営の3原則について語っています。

(1)首相指導の原則
(2)合議制の原則
(3)所轄の原則
3原則があることは一般の人は知らない。私も初めて聞いて印象に残りました。

(1)と(2)は一見、相反するように見えます。
 行政は各部署で権限を与えられた者がその権限を行使します。会社でも部長/課長/係長のような形になっていてこれは独任制す。行政に設置される各種委員会は複数の者が合議で結論を出し権限を行使するので独任制の対極にある合議制。首相は内閣に対して指導はするが指示する権限はなく、内閣は合議制で決定されます。つまり指導は指示や命令とは違うということなのでしょう。合議制での意思決定方法は、内閣では全員一致です。普通は多数決。

 問題は(3)です。進藤氏は「首相といえども各省を直接指揮監督することができない」のは、「各大臣を各省の主任大臣としている所轄の原則」が大きな原因と言っています。
 かって諌早湾が閉め切られ淡水化が進みムツゴロウをはじめ多くの生き物が死に向かっていたとき、「(水門運用の)責任者に対して、締切堤防内の生態系が維持できるよう排水門を操作することの指示を農水大臣以外に行うことが出来る者がいるか。」との渡辺周衆議院議員の質問に対して政府は「内閣法(昭和22年法律第5号)第6条の規定によると、「内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基づいて、行政各部を指揮監督する」こととされており、閣議にかけて内閣としての方針が決定されていれば、内閣総理大臣は、その方針に基づいて、農林水産大臣を指揮監督することができるものと解される。」と答弁しています。(1997.5.26政府答弁書)進藤氏はこの「閣議にかけて決定した方針に基づいて」の削除が必要と述べています。水門を開けさせるようというような農水大臣に対する直接の指揮監督権が首相にはない。かといって当の主任大臣は数ヶ月で交替するので、敗戦直後から計画され連綿と続いて来た諌早湾閉め切り事業の流れを断ち切る様な政治決断など出来ようはずもない。進藤氏は4年間は大臣を交替させないことも提案している。
 また、公務員の省別採用を廃止して内閣による一括採用とし、局長以上を政治任用とすることにも言及している。朝日の別に記事では米国では新政権になって7000人が政治任用され行政府の上層部に就任しているという。

 今回の政権交替は明治維新、敗戦に続く、第3の開国と言われる。武士独裁、軍部独裁の次だと言われる官僚独裁の崩壊は、容易ではないにしてもその最初の一歩が踏み出された私も見ています。ほんとうの意味での歴史的な転換期に遭遇し、あらゆる古くなった慣習が破られていく社会現象が起きる予感がします。鎖につながれていた人々の意識が解き放たれ、混沌とした時代へ向かって行くと思います。
 
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