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大会No.1右腕とNo.1左腕が圧倒的な力を見せ付けた第81回選抜高校野球大会は、攻守にバランスの取れた清峰が初優勝を果たした。清峰・今村、花巻東・菊池、ともに今秋ドラフト最上位候補の2人の投げ合いは81回を数えるセンバツ球史に残る決勝戦であった。今大会は、21世紀枠の利府、近畿6枠最後の椅子に滑り込んだ報徳学園が4強に残り、戦前の評判は高くなかった南陽工、箕島、神宮枠に救われる形で出場した早実が8強に残った。その一方で、昨秋地区王者の慶応、天理、西条は初戦で姿を消し、前評判の高かったPL学園、明豊なども早々に姿を消した。一冬越えて、勢力図が大きく変っていることが印象付けられた大会でもあった。慶応は、昨年に続き、初戦でいわば野球後進県に良い所なく敗れるという失態を演じ、PL学園期待の大器・歓野も大会通して僅か1安打と全く見せ場が無かったのは非常に残念であった。夏に向け、巻き返しを期待したい。
今大会は、開幕日にリニューアルなった甲子園で生観戦し、2日目以降は全試合を録画観戦した。興味のない試合は早送りを駆使しているため、見落とし等があるかもしれないが、大会1日目から順に簡単に振り返っていきたいと思う。
<第1日目>
倉敷工 11−10 金光大阪
中京大中京 5−1 神村学園
今治西 2−1 光星学院
甲子園に足を運んだ。久々となる選抜観戦、第1試合の延長10回に球場着。例の誤審を目撃することはできなかったが、グダグダぶりは十分に伝わった。金光大阪期待の大型遊撃手・陽川はもう少し見たかった。試合よりも印象に残ったのが、リニューアル甲子園。銀傘が大きくなっており、バックネット裏上部には洒落た電光掲示板が。高校野球は「本日の試合結果」が映し出される程度であるが、プロ野球の試合では色々な演出があるようだ。スコアボードも、チーム名が4文字入るようになった。これは地味ながらナイスだ。また、手荷物チェックが厳しくなっており、私は知人から「毎日新聞関係者」札を譲り受けていた為ノーチェックだったが、一般客として入場する際はこれまで以上に注意が必要。ちなみに、私はうっかり缶ビールを持ち込んでしまったため、場内で係員に注意されて紙コップに移し変えを命じられたことを大いに反省したい。
さて、肝心の試合の方であるが、第2試合は中京大中京の圧勝。河合、堂林の3,4番に迫力があった。私の後ろに座っていた楠城スカウト(楽天)も、中京大中京のレギュラー陣は、殆どが上のレベル(大学)でも通用すると話していたが、確かに攻守にレベルが高かった。神村学園の見せ場は4番・三塁の大畑の特大アーチのみ。
第3試合は、光星学院・下沖の投球が楽しみであったが、先発が左腕の六埜と聞いてガックリ。下沖は4番・中堅として出場。1回の攻防だけ見てそのまま帰宅したが、意外にも六埜は評判が良かったようだ。逆に下沖は打者として評価されているとのこと。
<第2日目>
報徳学園 2−0 高崎商
清 峰 4−0 日本文理
福知山成美 5−2 国士舘
第1試合は報徳学園の左腕・宮谷がらくらく完封。高崎商見せ場なし。第2試合は清峰・今村が力の違いを見せ付けて完封。第3試合は福知山成美・長岡、国士舘・菅谷が好投し、延長15回までもつれこんだ。長岡は14回に足が釣って(脱水症状とのこと)降板したが、2番手投手が頑張り、打線が最後の最後に菅谷を攻略。
<第3日目>
開 星 4−1 慶 応
箕 島 7−3 大分上野丘
PL学園 1−0 西 条
侍ジャパンがWBC連覇を決めた日。その影で、ひっそりと慶応が失態を演じて甲子園を去った。慶応の注目の右腕・白村は力みから本領発揮できず。第2試合は特になし。注目の第3試合はPL学園が辛勝。PL学園・中野、西条・秋山の投げあい、というより、両校野手陣が予想以上に振れていなかった。注目の歓野は第1打席に強烈な中前打を放ったが、以降は完全に討ち取られた。歓野と同級生で1番を打つ吉川が良かった。腰の据わった打撃、俊足好守と3拍子揃う逸材。
さて、侍ジャパン。日本の野球が文字通り世界一ということを証明してくれて喜ばしい限りだ。次回WBCも基本的に現メンバーが中心となるのだろうか。打者では吉村(横浜)、松田(ソフトバンク)、藤井(中日)、赤松(広島)、大松(ロッテ)、中田翔(日本ハム)、炭谷銀(西武)、投手では由規(ヤクルト)、唐川(ロッテ)、大嶺(ロッテ)、前田健太(広島)、浅尾(中日)、斎藤(早大)あたりにも台頭してきてほしいものである。
<第4試合>
南陽工 4−3 前橋商
花巻東 5−0 鵡 川
明 豊 5−1 下妻二
この日は花巻東・菊池に尽きる。8回二死まで完全、152キロを計測、凄すぎた。この日の投球ならプロでも即戦力であろう。昨夏の赤川(宮崎商⇒ヤクルト)クラスかと推測していたが、さらに1ランク上の投手だった。
<第5日目>
富山商 2−0 興 南
早 実 4−3 天 理
習志野 5−4 彦根東
第1試合は興南の2年生左腕・島袋が19奪三振の快投を見せたが打線の援護無く延長10回の末敗れた。敗れたとはいえ、島袋のトルネード気味に投げ込んでくる直球と切れるスライダーは強烈。制球も悪くなく、今後が楽しみな投手だ。第2試合は個人的に期待していた天理の敗退は残念だったが、好ゲーム。早実の継投策が天理打線をうまくかわした。昨夏1年生の4番・投手として話題になった小野田が本塁打を放った。投手としては球速アベレージ130キロ台中盤ぐらいで、「佑ちゃん二世」と呼ぶにはまだ早いか。第3試合は彦根東のエース・金子が140キロ台を計測するなど評判通りであったが、体調異変で降板。これが痛すぎ、最終的に逆転で敗北。しかし金子は紛れもなく好投手。そして彦根東は京大に毎年20人ぐらい合格する高校。金子が勉強に目覚めてDBへ、などということが実現すればいいのだが・・・。
<第6日目>
利 府 10−4 掛川西
中京大中京 6−5 倉敷工
報徳学園 15−2 今治西
第1試合は掛川西が5回までに0−10と大きくリードを奪われ惨敗。21世紀枠相手に実質5回コールドは実にお寒い。救いは4番に座る注目のスラッガー・江塚にアーチが飛び出したことぐらい。第2試合から2回戦。中京大中京のエースで4番・堂林は、打撃では超高校級ぶりを見せ付けたが、投手としては苦投。辛勝。第3試合は、報徳学園の打撃爆発。8番の平本が2本塁打2三塁打を含む6安打、何と1人で16塁打。もちろん大会新記録。今後ちょっと破れそうにない記録だ。
<第7日目>
清 峰 1−0 福知山成美
箕 島 4−3 開 星
南陽工 2−1 PL学園
第1試合は予想通り投手戦。今村はまた完封。福知山成美・長岡も好投。制球が良く、スライダーのキレ抜群。直球も140キロ台中盤を記録するなど、速い。夏にもう1回見たい投手だ。第2試合は特筆すべき事項なし。そして問題の第3試合。PL学園が南陽工の2年生エース・岩本に軽く捻られてしまった。PLエースの中野は9回までノーヒットノーランも10回に3安打を集中されて敗戦投手に。悲劇的だ。全く打てなかった4番の歓野に象徴されるように、今大会のPL学園打線はあまりにも湿り過ぎ。夏に、本来の強いPL学園の姿を見たい。
<第8日目>
花巻東 4−0 明 豊
早 実 9−2 富山商
利 府 2−1 習志野
花巻東・菊池が初戦に続いて連続完封。この日は本来のデキではなかったが、要所を締める投球。悪いなりの投球ができるところも菊池の大きな魅力だ。第2試合は、富山商の先発投手起用が大いなる謎。なぜ初戦を完封した村上ではなかったのか。序盤の大きな失点が重くのしかかり、良いところなく敗れ去った。第3試合は特筆すべき事項無し。
<第9日目>
報徳学園 6−5 中京大中京
清 峰 8−2 箕 島
この日からいよいよ8強の激突。第1試合は報徳学園が9回二死から逆転。中京大中京の打線は相変わらず迫力満点だが、投手・堂林がいま一つ。夏は堂林以外の軸となる投手を育成して、堂林は野手専念というのも一つの手ではないかと思う。第2試合は力の差がはっきりと出た。箕島の2点は今村が退いた後に取ったもの。今村に対しては成す術が無かった。県に帰ると今度は智弁和歌山が待ち受ける。箕島が夏に再び甲子園に戻ってくる可能性は限りなく低いだろう。
<第10日目>
花巻東 5−3 南陽工
利 府 5−4 早 実
第1試合の花巻東は、菊池を温存し、先発は本職三塁手の猿川。この猿川が予想以上に好投手だった。最速が何と145キロ、常時140キロ台を計測する直球には威力があった。不運な形で3点こそ失ったが、この投手が2番手に控えている花巻東は強い。2点ビハインドの6回からは満を持して菊池が登場、筋書き通りに逆転して勝利。第2試合は早実の先発・小野田が不調。21世紀枠に4強進出を許してしまった。しかしながら、2年生中心で8強進出した早実、今後の伸び代に期待大だ。
<第11日目>
清 峰 4−1 報徳学園
花巻東 5−2 利 府
報徳学園が力負け。昨夏と比較すると劣ると言われていた現チームだが、前チームを上回る4強進出は立派。一戦毎に成長していった印象。左腕・宮谷、右腕・宮本の2本柱で夏も十分に戦えそうだ。清峰・今村がついに今大会初失点。それでも危なげなく勝利。第2試合は、東北対決。花巻東・菊池が、利府の好打者・遠藤に2ランを浴び先制される苦しい展開となったが、中盤以降に地力の差を見せて勝利。
<第12日目>
清 峰 1−0 花巻東
今村、菊池の投げあいは、最少得点差で清峰の勝利。この結末を迎えるためにそれまでの11日間があったといっても言い過ぎではあるまい。菊池の失点は二死無走者からの四球⇒9番打者の長打。一瞬の隙を逃さなかった清峰に軍配。最後まで好ゲームを展開した両校の選手に拍手!
大会ベストナインを。
【投 手】今 村(清 峰3年) 次点:菊 池(花巻東3年)
【捕 手】遠 藤(利 府3年) 次点:土 屋(早実2年)
【一塁手】江 塚(掛川西3年) 次点:山 崎(清峰3年)
【二塁手】安 田(PL学園3年) 次点:該当者なし
【三塁手】河 合(中京大中京3年) 次点:西 郷(報徳学園3年)
【遊撃手】瀧 野(今治西3年) 次点:川 村(花巻東3年)
【外野手】堂 林(中京大中京3年) 次点:平 井(明豊3年)
【外野手】吉 川(PL学園2年) 次点:佐藤涼(花巻東3年)
【外野手】小野田(早実2年) 次点:加 納(今治西3年)
打順は、
(中)吉 川
(捕)遠 藤
(三)河 合
(投)堂 林
(右)小野田
(一)江 塚
(遊)瀧 野
(投)今 村
(二)安 田
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