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第91回全国高校野球選手権大会総括&ベスト9

 投稿者:た・あ  投稿日:2009年 8月26日(水)22時44分5秒
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   第91回全国高校野球選手権大会は、中京大中京が壮絶な決勝戦を制して優勝した。決勝戦は9回二死ランナー無しから劇的な展開。ここまで1人で投げ抜いてきた日本文理のエース・伊藤が追撃機に打席に立ったときには場内から自然発生的に「伊藤コール」が沸き起こった。あと1点及ばなかったが、不利の前評判を覆す日本文理の健闘は見事であった。

 日本文理に代表されるように、今大会は、これまでは野球後進県とされていた地区の学校の上位進出が目立った。8強に残った8校(岩手、東東京、新潟、愛知、岐阜、島根、大分、宮崎)のうち、前回大会までの選手権大会成績は以下の通り。

岩 手 24勝66敗  45位
東 京 144勝117敗 14位
新 潟 16勝48敗  47位
愛 知 117勝80敗  9位
岐 阜 65勝55敗  15位
島 根 25勝52敗  43位
大 分 52勝59敗  26位
宮 崎 41勝50敗  29位

 40位以下の県の代表が8強に3校、4強に2校残った一方で、「強い地区」であるはずの近畿、四国勢は1校も残れなかった。特に近畿勢はPL学園、天理、智弁和歌山など優勝候補に挙げられながらも全く存在感を示せなかったのは残念だった。対照的に、元気だったのが九州勢。序盤で潰し合いがあり、ベスト8には2校しか残らなかったが、いずれの学校も持ち味を出した。


 優勝した中京大中京、準優勝の日本文理ともに打撃力で勝ち上がった。決勝戦のスコア10−9は、今春センバツの決勝戦・清峰1−0花巻東とはあまりにも好対照。夏の過酷な条件下、1人の投手が最後まで万全の状態で投げ抜くことは不可能に近い。加えて、春〜夏にかけて打力は飛躍的にアップする。今後も夏の大会は打高投低の傾向が続くであろう。

 しかしながら、今大会は、好投手の活躍も目立った。山田(敦賀気比)、二木(明桜)、安井(酒田南)、岡田(智弁和歌山)、島袋(興南)ら前評判の高かった左腕投手は早々に姿を消したが、代わって右腕投手が大会を盛り上げた。伊藤(日本文理)、山田(県岐阜商)、新西(都城商)、崎田(立正大淞南)、佐藤(東北)ら140キロ前後の直球とキレのある変化球を低めにしっかり制球できる投手が結果を出し、今宮(明豊)、大瀬良(長崎日大)、平原(帝京)、庄司(常葉橘)、田代(作新学院)、多司(PL学園)、秋山(西条)らは150キロ近い速球を披露し甲子園を沸かせた。そんな中で、やはり菊池(花巻東)は別格。154キロを計測した直球とスライダーはプロでも即戦力となりうる威力。準々決勝以降、万全でなかったのが惜しいが、今大会最大のヒーローであったことは間違いない。

<今大会のベストゲーム>
花巻東 7−6 明 豊
・・・明豊・今宮の150キロ台連発した9回の投球は衝撃的。試合自体も手に汗握る白熱した展開。

<今大会のワーストゲーム>
天 理 15−1 南砺福野
・・・奇跡の甲子園初出場を果たした南砺福野だが、失策・四死球連発で初回に勝負決する。


▼大会ベスト9
【投 手】菊池雄星(花巻東3年)
  次点:岡田俊哉(智弁和歌山3年)


【捕 手】河野元貴(九州国際大附3年)
  次点:船木吉裕(横浜隼人3年)

・・・河野は強肩が、船木はインサイドワークに優れていた。その他、木下(高知3年)、磯村(中京大中京2年)、吉田(日大三3年)、原口(帝京3年)ら強打の捕手の存在が目立った。橋本(龍谷大平安3年)は初戦敗退で本来の実力を十分に発揮できなかったのが残念。町田(東農大二3年)は187センチと超大型捕手、将来性大だ。


【一塁手】横倉怜武(花巻東3年)
  次点:武石光司(日本文理3年)

・・・チームの中軸として、打撃でチームの上位進出に貢献した2名を選出。


【二塁手】柏葉康貴(花巻東3年)
  次点:切手孝太(日本文理3年)

・・・リードオフマンとして、チームを攻守に支えた2名を選出。その他、国友(中京大中京3年)、北沢(長野日大3年)の勝負強さも目立った。李(敦賀気比3年)の活躍をもう少し見たかった。原田(天理3年)は2試合で7安打を放ち、大型で打力のある二塁手として魅力あるプレーを披露した。


【三塁手】河合完治(中京大中京3年)
  次点:猿川拓朗(花巻東3年)

・・・河合の打撃は文句なし。恐らく法大に進むことになるだろうが、1年目からレギュラーを目指してほしい。猿川も不動の4番として圧倒的な存在感があった。その他、國枝(九州国際大附3年)のスイングスピード、村田(PL学園3年)のヒットゾーンの広さが目に付いた。


【遊撃手】今宮健太(明豊3年)
  次点:小林知弘(九州国際大附3年)

・・・打者・今宮はやや粗さはあるが思い切りの良いスイングでヒットを連発。前述のように投手としても150キロを投げるなど圧倒的な身体能力を遺憾なく発揮したが、やはり上のレベルでは野手として勝負することになろう。次点の小林は打撃力と強肩が目を引いた。その他、県予選8割超の打率を残した西浦(天理3年)を、もう少し見てみたかった。河合、堂林の陰に隠れていたが、中京大中京のリードオフマン・山中も好選手。次のステージでも早い段階での出番があるだろう。


【左翼手】宮武佑麿(三重3年)
【中堅手】高橋義人(日本文理3年)
【右翼手】堂林翔太(中京大中京3年)
  次点:金子竜也(帝京3年)
  次点:西川遥輝(智弁和歌山2年)
  次点:河野凌太(明豊3年)

・・・打撃優先で3選手を選出。宮武は大型外野手で将来性十分。高橋はバランスの取れた好選手で、ヒット量産。そして、今大会No.1打者・堂林。投手としては目立たなかった堂林だが、打撃力は圧巻。インコースの捌き、右方向へ伸びる打球など剛柔兼ね備える。プロでの活躍を楽しみにしたい。次点の金子は小柄ながら俊足と巧打でチームを引っ張った。西川はケガの影響もあり万全でなかったが、対応力はさすがと思わせるものがあった。河野は春の4番から今夏は6番に降格したが、本塁打を放つなど地力のあるところを見せた。その他、藤本(都城商3年)はシュアな打撃に加え、2番手投手としてマウンドでも躍動した。今後は投手と野手のどちらで勝負するのだろうか。吉川(PL学園2年)は中堅左への豪快弾を放ち、大阪府大会5本塁打の実力を垣間見せた。今夏急成長の中村(天理2年)は2試合で5安打を放ち、県大会の活躍がフロックではないことを証明した。強打・九州国際大付の不動の4番・榎本(2年)は樟南戦の9回に勝ち越しの本塁打を放って面目躍如。九州を代表するスラッガーへと成長してほしい。

オーダーは、
(遊)今 宮
(二)柏 葉
(三)河 合
(右)堂 林
(中)高橋義
(左)宮 武
(捕)河 野
(一)横 倉
(投)菊 池


▼フレッシュベストナイン(オーダー)
(左)吉 川(PL学園2年)
(遊)松 本(帝京1年)
(右)西 川(智弁和歌山2年)
(捕)磯 村(中京大中京2年)
(一)山 崎(日大三2年)
(三)安 田(天理2年)
(中)中 村(天理2年)
(投)島 袋(興南2年)
(二)岩佐戸(智弁和歌山2年)

 上記9名以外にも、来季の活躍が期待される選手は多い。帝京の鈴木(2年)、伊藤(1年)は150キロも期待できる本格派。既にチームの不動の4番を務める榎本(九州国際大付2年)と吉田(敦賀気比1年)、好守強打の遊撃手・吉沢(日大三2年)、大型中堅手・湯本(日本文理1年)のさらなる成長を楽しみにしたい。
 
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